1月16日説教のあらまし
使徒言行録 12:18~25
「集まった人々は、『神の声だ。人間の声ではない』と叫び続けた。するとた
ちまち、主の天使がヘロデを撃ち倒した。神に栄光を帰さなかったからで
ある」(12:22~23)
『使徒言行録』という書物は、12 章 17 節で前半が終わり、13 章から後半に入ります。前半はペトロとエルサレム教会の話が中心でしたが、後半
はパウロと伝道旅行の話が中心になります。その間の、いわば「つなぎ」
の部分が、今日お読みしました12章18節から25節のところです。
しかし、
つなぎではあっても、そこにも神様の大事なメッセージがあります。
この箇所は、教会や使徒たちの話というよりは、当時の社会情勢の描写が中心になっています。著者であるルカは、伝道の背景となる社会的情勢を随所に書き記しています。それは、「神様の御業は人間の生きる現実の中
で進められていく」ということを、ルカがとても大切にしていたからです。
私たちは今こうしてこの世でキリスト者として生きていますが、これは
当たり前のことではありません。イエス様の尊い犠牲の上に与えられている命です。この命でこの世に生かしていただいている私たちには、この世を生きることによって、神に栄光を帰すという使命が与えられています。
私たちは、人生がうまく行っているときほど、その使命を忘れてしまいがちです。しかし、神に栄光を帰さない人生は、結局は空しく惨めなものです。
今日お読みしたところのヘロデ王の姿は、そのような人生の空しさ、 惨めさを私たちに示してくれているのです。
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